制作事例Uber Eats · TVC · 日本

Uber Eats お店と同じ価格

「デリバリーは高い」という思い込みが、普段の利用を妨げていた。18,000店以上で店頭と同じ価格になる取り組みを、「え?」という驚きで伝えた。値引きを訴える代わりに、価格を比べて迷う必要がなくなることを、日常の場面で描いた。

クライアント
Uber Eats
出演
角田晃広(東京03)
演出
小島淳平
フォーマット
TVC 30秒・15秒・6秒、キービジュアル、加盟店ビジュアル、新聞広告、SNS
公開
2026年3月20日
役割
エグゼクティブクリエイティブディレクター

01 · 依頼

ずっと続く、価格の変化

2026年3月、Uber Eats Japanは一部の加盟店で、アプリ上の価格を店頭と同じにした。ブリーフは、この変化を広く知らせるローンチキャンペーン。テレビ、デジタル、SNS、屋外広告での展開が前提だった。

相手は、子育て中の家族と、子どものいない単身や共働きの人たち。便利さにお金を払う気はあっても、それは価格が見合うときだけ。キャンペーン中にしか頼まない習慣がつき、Uber Eatsはデリバリーの中でいちばん高いと思われていた。しかも今回は、一時的なセールではなくずっと続く変更。オンとオフを繰り返す販促に見えてはいけなかった。

目指した反応は、「思っていたほど高くない」。そして次に外食しようと思ったとき、代わりに注文してもらうことだった。

02 · 課題

「高いはず」という思い込み

日本でデリバリーは、選択肢には入っていても、普段使うものにはなっていなかった。「高いはず」という思い込みから、便利な場面でも選ばれずにいた。

03 · アイデア

え?

店内と同じ価格にすれば、価格を比べて迷う必要がなくなる。その意外さを、日常のさまざまな場面で思わず出る「え?」で描いた。「デリバリーは高い」という思い込みが崩れる瞬間を、直感的に伝えた。

最初の形は、第2回提案の「驚きのプライスリセット」。提案書にはこう書いた。「え?」は単なる驚きではない。長年の思い込みと食い違う情報に、頭が一瞬追いつかなくなる。思わずアプリを二度見する、その一瞬だ。

04 · コピー

見出しは、価格そのものに

調査を受けて、コピーを変えた。「え?Uber Eatsが価格リセット」では、値上げなのか値下げなのかが伝わらなかった。そこで見出しを「お店と同じ価格」という中身そのものにして、ずっと続く変化であることは締めの一行に任せた。

  • え?お店と同じ価格で!?(見出し): 映像、キービジュアル、新聞、屋外広告に。
  • え?ピザハットもお店と同じ価格で!?(加盟店版): 店名を入れ替えて、加盟店ごとに。
  • ずーっと、使いやすい価格へ。(締めの一行): 一時的なセールではないことを伝える。
  • 驚かせて、ごめんなさい。(新聞広告の書き出し)

05 · 日本向けの演出

日本の視聴者に合わせて

承認された脚本は英語で書かれていて、大きなリアクション、すぐに盛り上がる展開、言葉で伝えるメリットが軸だった。日本では、「え?」のリアクションで注意を引きつけたままメッセージを届けるという仕組みはそのままに、見せ方を変えた。

  • 抑えた「え?」。大げさなリアクションは、日本の視聴者には作り物に見える。混乱から喜びまで、少しずつ変化させた。
  • 見てわかる規模感。言葉で主張せず、街を埋める配達パートナーや、周りで注文する人たちで変化の大きさを見せた。
  • 電車で食べ物を持たない。初稿では地下鉄でUber Eatsの紙袋を持っていたが、日本のマナーに反する。通勤の場面は配達パートナーを目にするシーンに変え、帰宅して空の冷蔵庫を開ける流れにした。
  • 会社員ひとりの話にしない。家にいる猫のような小さな要素で、見る人の幅を広げた。

06 · カットダウン

15秒と6秒

30秒はこのページの冒頭に。角田さんのセリフは「え?」だけ。

07 · キービジュアル

いろいろな「え?」

スチールも、驚きから喜びまで同じ幅で撮った。角田さんを中心に、さまざまな人の顔を並べ、日本中が反応しているように見せた。

08 · 加盟店

ピザハットも?

加盟店ごとに、店名を入れたバージョンを用意した。顔の代わりに、その店の商品を置いている。

09 · ローンチ

2026年3月20日

新聞の全面広告:「え?」と角田晃広の顔、「お店と同じ価格で!?」。
新聞の全面広告。

3月20日から、約1万8千店でお店と同じ価格に。同じ日に関東と関西でCMのオンエアが始まり、東京と大阪では屋外広告も展開した。発表会で新CMを初公開し、新聞の全面広告でも伝えた。

5日後には、フジテレビの「ノンストップ!」が撮影現場を取り上げた。

10 · 成果

成果

18,000店超で店内と同じ価格を実現。松屋、成城石井、バーガーキング、ピザハットなどの加盟店が、店頭でもメッセージを伝えた。デリバリーを追加出費と捉える見方を変え、普段の選択肢として提示。Uber Oneや楽天の各サービスにも組み込み、デジタルに加えて大規模なOOHと全国紙でも展開した。

11 · タイムライン

ブリーフから、オンエアまで

日付は、ブリーフ、提案資料、Uber Japanの発表による。

  1. 2025年11月
    ブリーフお店と同じ価格を伝えるローンチキャンペーン。
  2. 2025年11月28日
    第1回提案4案。
  3. 2025年12月5日
    第2回提案5案。採用された「え?」のプライスリセット案を含む。
  4. 2025年12月
    プリプロダクション承認された英語の脚本を、日本の視聴者向けに調整。
  5. 2026年1月15日
    第4回提案調査を受けたメッセージ、キービジュアル、6秒のアニメーション。
  6. 2026年3月20日
    公開約1万8千店でお店と同じ価格に。30秒と15秒を関東・関西でオンエア。