制作事例Uber Taxi · ソーシャルフィルム · 日本

Uber Taxi 101回目のプロポーズ?

1991年、男はトラックの前に飛び出し、死なないと誓った。2026年、男はUberタクシーの前に立ち、もうタクシーを逃さないと誓う。ライブトラッキングで、タクシーがいまどこにいるか見えるから。

クライアント
Uber Japan
フォーマット
ソーシャルフィルム90秒と30秒、横型と縦型
キャスト
古賀シュウ、平山りの
公開
2026年10月28日
役割
エグゼクティブクリエイティブディレクター

01 · 依頼

ひとつの機能のための、ソーシャルフィルム

依頼は、Superpower V2のテレビCMの短尺版と並べて流す、ソーシャル専用のフィルム。スマホでの見られ方から設計すること。伝えるのはライブトラッキング。タクシーが近づいてくるのが見えれば、移動の主導権は自分にある。

アイデアはすべて、2つの条件で絞った。ライブトラッキングを主役にすること。最後に添える機能説明ではなく、笑いと戦略の軸として。そして、懐かしいものでも今のものでも、まぎれもなく日本的な何かを借りて、その真ん中にUberを置くこと。

02 · インサイト

人前でタクシーに逃げられたくない

ライブトラッキングは技術の機能だが、解決するのは人の気持ちだ。日本では、タクシーに逃げられるのは地味に恥ずかしい。手を挙げて、待って、運転手は気づかず、走り去る車を歩道でひとり見送る。

だから、どの笑いも最後は製品に着地させた。タクシーが近づいてくるのが見えれば、待つことは賭けではなくなる。「101回目のプロポーズ?」は、5月に提案した6つのルートのひとつ。どれも日本の文化をひとつ借りて、ライブトラッキングに着地させる案だった。

  • 機能:タクシーの動きがリアルタイムで見える。
  • 機能的価値:どこにいて、どれくらい近くて、いつ準備すればいいかがわかる。
  • 情緒的価値:もう気をもまない。落ち着いて、少しだけ人より先にいられる。
  • 行動の変化:流しを拾って不安に待つ、から、アプリで呼ぶ、へ。

03 · 元ネタ

101回目のプロポーズとは

1991年7月1日から9月16日まで、フジテレビの月曜9時枠で放送された全12話のドラマ。武田鉄矢が、恋愛に縁のない男・星野達郎を、浅野温子が彼の恋する矢吹薫を演じた。

第6話、達郎は薫のもとを離れないことを証明するため、走ってくるトラックの前に立ちはだかり「僕は死にません!あなたが好きだから」と叫ぶ。武田鉄矢の言い方から「死にましぇん」として広まり、以来くり返しパロディにされてきた。主題歌のCHAGE and ASKA「SAY YES」はオリコン13週連続1位、最終回の視聴率は36.7%。

日本の視聴者にとってこの場面は、まっすぐで、必死で、少し行き過ぎた想いの代名詞だ。それが、そのまま使える製品の真実になった。タクシーを逃す不安は、居場所が見えた瞬間に安心に変わる。

04 · キャスト

オマージュを、本気で演じる人

画面に映った瞬間、誰もが武田鉄矢を思い浮かべる人でなければならなかった。古賀シュウさんは太田プロダクション所属のものまね芸人で、武田鉄矢は十八番。昔から今までの名場面を再現でき、テレビのものまね特番では『101回目のプロポーズ』そのものを再現している。

古賀さんはすべてを大まじめに演じる。だからこそ笑える。衣装はドラマの柄まで忠実に作り直し、ウィッグもオリジナルで製作した。

浅野温子の役は平山りのさん。50名のオーディションから監督が選んだ。原作のキャラクターに最も近い容姿と、この役に欠かせない泣きの芝居が決め手だった。

05 · 絵コンテ

6つの場面と、ひとつのオチ

コンテはドラマの構成をそのまま借りて、製品をオチにした。恐れは本気、誓いは大げさ、そしてすべてを解決するのはスマホの地図。

ここに並べたのは、撮影前のPPMで監督が描いた手描きのコンテ。監督:Ryotaro Nishi(TYO)。

06 · コピー

あの名台詞を、一語だけ変える

場面の形はそのままに、誓いだけを変えた。彼は生き延びることを誓わない。タクシーを逃さないことを誓い、その証拠にスマホを掲げる。

  • 僕は死にません!(1991年の誓い): トラックの前で。
  • 僕は逃しません!(2026年の誓い): Uberタクシーの前で。
  • Uberで、タクシーもう逃さない。(エンドコピー): 最後の一行。

07 · 本編

90秒、全力のメロドラマ

フィルムはどこまでも大まじめに演じる。「101回目のプロポーズ?」と疑問符つきのレトロなタイトル、道端の告白、ヘッドライトへの疾走、そして彼が止まったその場所に着くUberタクシー。彼女は泣き、彼はアプリを掲げ、最後は後部座席での静かな使い方講座。

尺は90秒と30秒、横型と縦型。最後はローンチオファーで締める。初回乗車2回まで99%OFF、1回あたり最大2,500円割引。

08 · ソーシャル

フィードのための縦型

縦型は同じ場面を90秒と30秒で、スマホ向けに。セリフは字幕で画面に出す。

09 · 比較

1991年と2026年

1991年の場面と2026年のリメイクを並べた比較映像。新しいフィルムが、元のドラマの演出をどこまで忠実に追っているかがわかる。

10 · タイムライン

6つのルートから、公開まで

日付は、プレゼン資料と納品ファイルによる。

  1. 2026年5月18日
    クリエイティブプレゼン6つのルートのひとつとして「101回目のプロポーズ?」を提案。
  2. 2026年10月14日
    完成90秒と30秒の完成版のファイル名にある日付。
  3. 2026年10月28日
    公開フィルムが公開された。

11 · 反響

細部まで、見られていた

広告についたコメントから抜粋。どれも、出稿当日の書き込み。

  • 今までこのシーンの色々なパロディを見てきましたが、細部まで本物に絶妙に寄せてあり、素晴らしい完成度で感動しました。
  • 古賀さんチョイスが素晴らしい
  • そっくりさんだと気がつくのに2秒かかってしまった
  • ドラマかと思ったら
  • ちゃんと新浦安のシンボルロードで撮ってる
  • 似てるぅぅぅ〜
  • モノマネに悪意があってとても良いw
  • ちょっとじわっとしたの悔しいww
  • 無駄に演技うますぎて…
  • これはやばい 素晴らしい
  • クッソ最後まで見てしもたw
  • 素敵な宣伝すぎる!